2015年、秋山設計道場第13クールが始まる。
この秋山設計道場は、住宅の設計施工を仕事とする地域工務店の設計者の「設計力」を鍛えることを目的として2009年から始った。半年間を1クールとして六年間、全12クールで開催された道場は66回に及ぶ。
秋山設計道場は、いわゆる設計スクールと違う大いなる特長が二つある。
1)即日設計 秋山設計道場は一泊二日を基本とする。第一日目に現実の設計条件が用意された敷地を視察、二日目の午前中にプレゼンテーションの為の手描きのスケッチをA3一枚に制作する「即日設計」である。午後、全員の発表と講評を行う。実際の仕事と同じ時間的な制約の中で行われることにある。又、道場主・秋山も道場生と同じ土俵の上でA3一枚で勝負する。高みの見物ということなく・・・、道場生と同じ立場、同じ視点で設計する。従って、その講評は的確にして厳しいものとなる。
2)アウェイ 秋山設計道場は一クール全5回の内、最低2回を各地の道場友の協力によって開催される道場、地方場所を行う、既に、それは全国各地28ヶ所にも及ぶ。これは道場生にとって各地域の地域性と、自社と異なる文脈を持った工務店の有様を学習する大いなる機会である。それも、その地での即日設計ということになるのだ。前回のアウェイは3ヶ所、東京の相羽建設、北海道伊達の小松建設、愛知県のイトコーの三社の協力で行われた。その地域の実力ある工務店の仕事を直に勉強したのである。 第13クールでは、静岡の野沢工務店、浜松の入政建築、兵庫のプレストの三社、東京で特別な学習の機会を・・・予定している。これらは、設計実務者にとって必須な実戦力を学ぶ最上の方法である一泊二日の凝縮した時間の中での真剣勝負、そしてアウェイ・・・、どこでも、いつでも実力を発揮する実力を付ける絶好の機会なのだ。
設計とは「知る」ことでも「分かる」ことでもない。 それは、あくまでも「身に付ける」こと、武道と同じく修業することなのである。その場こそ道場なのである。